2023年12月現在

坂本亜紀
法学修士(LL.M.)
入学のきっかけ
大陸法と英米法の違いを体系的に理解したかったため、入学を決意しました。入学当時は新卒で重工業メーカーの法務部・知的財産部に勤務しており、多くのプロジェクトが海外案件であるため、上記を理解していないと契約審査・紛争の議論が十分にできないと考えていました。
授業について
どの科目も欠かすことの出来ない要素として、日頃の実務に役立っています。授業の内容はいつも充実しており、新しいことを学べる喜びがありました。教授は法務の実務家でもあり、今直面している案件を紹介し、「この問題をサポートする判例を見つけてごらん」という宿題を出すこともあり、臨場感を持ったインタラクティブな授業が多かったです。また、セメスターの最後にはピザパーティがあるなど、教授・学生との交流もとても大切な思い出です。
転職について
テンプル大学を卒業後ご縁があり、半導体製造装置メーカーの法務部に転職しました。地政学問題に直面し激動の時代を迎えるこの業界で、とても貴重な経験をしています。私は現在、米中欧日での経済制裁・輸出規制・サプライチェーン問題などを扱っております。これらの問題はもはや英米法の知識なしには対応できません。テンプル大学で学んだことは、「どこでもドア」のようなもので、次のステップに行くのに不可欠なものだと確信しております。なお、転職の際は、採用者はテンプル大学での勉強にたいへん興味を持ち、仕事と勉強を両立していたことを評価したそうです。
Bar exam (米国弁護士試験)について

2023年Washington DC bar examに合格しました。仕事で米国規制や当局対応を担当することもあり、Washington DCの弁護士となりできることを増やしたいと考えていました。勉強を本格的に始めて1年くらいは毎日2時間くらい予備校の講義を聞いたり、問題を解いたりしていました。しかしながら、エッセイが苦手で点数が上がらず悩んでおり、Saunders 教授に相談し、自律的な勉強の計画を1年単位で作り、地に足をつけて勉強を再スタートしました。私の場合は、多くの問題文を読み、それを短時間で頭の中を整理してアウトプットする、というのがとても苦手でした。Saunders教授のアドバイスによりこれを克服し、ある程度のアウトプットを出せるようになり、これが合格点に直結したのだと思います。
Bar examはテクニカルな面も大きいですが、精神的な面も大きいと思います(量が膨大で問題が難しいこと・仕事をしながらの勉強で長丁場であるため)。精神的に苦しいときにどう乗り越えるか(点数が伸びなかったらどうしよう・・・)など、悩むことが多かったです。このようなことも含めてSaunders教授は面倒を見てくださり、「頭がパンクしそうになったら深呼吸をしなさい」、「点数よりも答えにたどり着いた過程が大事」、と教えていただきました。このようなご指導は大事なセルフマネジメント能力であり、困難なことにも諦めないでアプローチしていく精神的タフさも教わったように思います。
また、Academic Coordinatorの田中さんや合格した先輩方にもたくさんのアドバイスをいただきました。テンプル大学にはbarに関する有益な情報の蓄積があり、これを使わないのは勿体無いと思います。
合格したことをテンプル大学にお伝えしたときは、自分のことのように喜んでくださいました。合格は嬉しいことではありますが、それ以上に卒業後も私を忘れないで応援してくれる学校の存在が今の自分を支えてくれているのだと思いました。
これからについて
来学期、International Compliance Lawのクラスを受講しようと思っています。今実務で悩んでいる問題を扱う授業で、とても興味深いです。皆様にお会いできるのを楽しみにしております!

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