高橋優一 (Yuichi Takahashi) — 2005 Bachelor of Arts
株式調査アナリスト、日本マーケット担当、インテグリオン社 (フィリピン支社)

当時のキャンパスはどこ?

南麻布

学生時代いちばん思い出に残っていることは?

2004年にStudent Government(学生会)のPresidentに選ばれてから初めて企画・運営したFall Festival(秋の学園祭)での経験です。当時の学生会メンバーは日本人をはじめ北米、南米、アジア出身の様々な国から来ている学生で構成されていたので、企画段階からアイデアや考え方の違いなどが壁となり、メンバーをまとめるのにとても苦労しました。日本人同士であればある程度の説明でお互いの考え方が理解できると思いますが、それぞれ出身国が違うと物の見方が違うため、一人ひとり意見を最後まで聞いて、必要に応じて個別に細かい説明をするなどケアが必要でした。最終的にはお互いの足並みを揃えることができ、メンバー全員が協力して当日の運営までFall Festivalを無事に終えることが出来ことが非常に嬉し かったことが印象に残っています。

TUJで学んだことは、あなたのキャリアや人生一般にどのように役立っている?

2010年末に米系企業に転職し、現在はフィリピンのマニラ首都圏にあるマカティ市という金融街に駐在しています。駐在先のフィリピン支社には社員が250人ほどいるのですが、日本人は自分自身が一人で、あとは上司がアメリカ人とフィリピン人、同僚はフィリピン人以外にも10カ国近くから来ているとても国際性豊かな職場です。外国人を含め社員のほとんどは英語が母国語ではないですが、社内のミーティングやプレゼンテーションはすべて英語で行われています。同じ英語でも単語の使い方や発音が違うので、勘違いがないように細かいことでもお互いに確認しながらプロジェクトを進めています。

TUJ在学中に様々な国から来ているクラスメートと意見交換したりグループワークしたりと、学生の頃から多国籍の環境で教育を受けることができたので、海外に出てもその経験を活かすことができていると思います。ただ英語が話せるだけではなく出身国によって価値観や考え方が違うので、お国柄の違いを理解しながら効果的なコミュニケーション能力が身に付けられたと思います。

あなたの在籍時代と比べて今のTUJは変わった?あるいは変わっていない?

2005年にTUJを卒業した年に文部科学省の外国大学日本校第一号に指定されたので、当時と比べると国内外でより認知度が高くなっているように感じます。実際に海外にいてもBloombergTVでTUJの教授がスピーカーとして出演していたり、日本国内でもテンプル大学ジャパンというと少しでも海外を目指している人は知っているなど、知名度も上がったと思います。また学生数もここ数年で倍になったと聞き、当時はなかった三田キャンパスもオープンしているので環境がより充実してきているのではないかと思います。それ以外にも日本人と外国人の比率も現在は学生の半数以上が外国人学生と聞いたので、当時の日本人7割、外国人3割だった頃に比べて更に国際的になっているようで羨ましく思います。

TUJの将来についてどう占う?

海外で働いているとより感じるのですが、日本人の感覚では呆れてしまうぐらい自己主張が強い人が多いように感じます。それは良い悪いの意見ではなく、海外ではより多様性が進んでいるためではないかと思います。中国やインドをはじめ人口の多い国が出身の人は母国での競争が非常に激しく、また新興国から来ている人は日々の変化がとても速いので少しでも自分が先に行かないと取り残されてしまうと言っています。英語が出来る人は世界中に何億人もの人がいますが、日本の文化も分かり外国のことも理解して意見を言える人材は、まだとても少ないように感じます。TUJのように語学能力だけではなく国際性や多様性も学べる学校がこの変化の激しい国際社会の中ではより必要になってくると思います。日本に進出している外資系企業で活躍することもできるし、海外に進出していく日本企業や公的機関で活躍することもできると思います。TUJはこれからも国際的に活躍できる人材をより輩出していく大学になると思います。

(2012年2月掲載)

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