式典に出席したTUJ前学長ブルース・ストロナク氏

TUJ前学長のブルース・ストロナク氏が武蔵大学の卒業式にて名誉博士号を授与される。写真撮影:William Galopin

2023年3月22日、テンプル大学ジャパンキャンパス(東京都世田谷区/学長:マシュー・ウィルソン、以下TUJ)の前学長ブルース・ストロナク氏に対し、武蔵大学(東京都練馬区/学長:高橋 徳行)から名誉博士号が授与されました。これは、日米間の学術的・文化的交流の促進における同氏の多大な貢献が評価されたものです。

2008年から2020年までTUJ学長を務めたストロナク氏は、日米の大学間における連携協力関係の構築に大きな役割を果たしました。在任中の2009年、TUJと武蔵大学、武蔵高等学校中学校は「教育・学術上の連携に関する基本協定」を締結。それに基づき、2012年秋学期より武蔵大学との単位互換プログラム(英語)が開始されました。

■ストロナク氏のコメント

「この度、武蔵大学より初の名誉博士号をというお話をいただき、身に余る光栄と感じております。私は2008年にTUJ学長に就任したときから、TUJが在日米国大学として日本の大学との協力関係を築き、日本の高等教育界に不可欠な存在となることが非常に重要だと考えていました。武蔵大学はそのTUJがパートナーとして協定を結んだ初の日本の大学であり、私はそのことを誇りに思っています。

武蔵大学等を運営する学校法人根津育英会武蔵学園は、100年前に日本の近代化と国際化を目指して設立され、その理念は今日まで受け継がれています。同学園は、日本の若者たちが自国および世界をよく理解し、日本人としても、また個人としても優れた能力を発揮するための教育の提供を使命としています。それこそがまさにグローバリゼーションが目指すものです。

私たちは、個人や国民としてのアイデンティティを保持しつつ、相互依存しながら世界と向き合う術を学ばなければなりません。私は日米両国において教育、研究、大学行政に携わる中で、西洋のリベラルアーツ教育の手法と日本の文化・伝統・行動様式との融合に努めてきました。今回の栄誉が、私のそうした努力が多少なりとも実を結んだことを意味するなら、心から嬉しく思います」

■ブルース・ストロナク元TUJ学長の経歴

1974年に米国ニューハンプシャー州のキーン州立大学より学士号(歴史学)。フレッチャー法律外交大学院とハーバード大学院で学び、2つの修士号と国際関係の博士号を取得後、ベッカーカレッジ(米国マサチューセッツ州ウースター)にてプロボストおよび最高執行責任者、国際大学(新潟県南魚沼市)の学部長などを歴任。2005年から2008年は横浜市立大学(神奈川県横浜市)学長を務めました。その後2020年まで12年間にわたってTUJを率い、2019年には世田谷区三軒茶屋へのキャンパス移転にも貢献しました。ストロナク氏は、TUJの名誉学長です。2023年4月1日に、昭和女子大学の海外キャンパスである昭和ボストン(Showa Boston Institute for Language and Culture、米国マサチューセッツ州ボストン)の学長に就任する予定です。

論文や著作も多く、代表的なものには、「Beyond the Rising Sun: Nationalism in Contemporary Japan」、「Politics East and West: A Comparison of Japanese and British Political Culture」などがあります。また、同じく元TUJ学長であるリチャード・ジョスリン氏との共著「History of Temple University Japan: An Experiment in International Education」がテンプル大学出版から間もなく刊行予定です。

なお、2021年9月にTUJが創設した「持田・ストロナク全額奨学金」は、ゴールドマン・サックス証券株式会社代表取締役社長、持田昌典氏からの450万ドルの寄付によるものですが、この礎となったのは持田氏とストロナク氏の長年の友情でした。この奨学金は、日本の公立高校卒業生に対し、学費の負担なくテンプル大学の教育を受ける機会を提供するものです。


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