コロナ禍での海外からの学生のホームステイ#3: いつか必ず霧は晴れる

テンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)ホームステイプログラムは、新入学の外国人学生に日本人家族と直接、触れ合う貴重な体験をこれまでも提供してきました。米国ニュージャージー州から来日した政治学科の1年生、ジェイソン・ティールさんは、コロナ禍の春学期(2021年1月〜4月)、東京世田谷区のホストファミリーと生活を共にしました。

コロナ禍での海外からの学生のホームステイ#1: リモートワーク+オンライン授業の新しい日常下で
コロナ禍での海外からの学生のホームステイ#2: かけがえのない文化体験を求めて

-なぜ、ホームステイを希望したのですか?

ジェイソンさん: 異文化にどっぷりつかる経験がしてみたいと思いました。海外に出ていこうとする人たちの多くは他の国の文化、その国の人たちの人となり、人類の多様性を全方向から見る機会を求めていると信じています。文化とは、冒険を可能にするこの世界の色鮮やかで、私たちの経験しうる至福の要素でしょう。新たな外国社会にただ入っていくだけでも文化体験を達成するのには十分です。しかも、ホームステイを経験することで、絶えず新たな空気に触れつつ生活していくことになるのです。新たな社会で生活する挑戦には、玄関で靴を脱ぐことを学んだり、日没後に口笛を吹いたら不吉なことが起きると学んだり、夕食の席ではテーブルに肘をついてはいけないことを学んだり、様々なことが含まれます。異文化を体験する積極性が必要とされるのです。

ホームステイは、文化の冒険を真っ向から生き抜くことだと思うのですが、それが地球規模で起こったパンデミックの渦中の冒険ということになったのです。多くの人々にとって、このパンデミックの最も辛いところは、外出が制限されていることです。地平線の向こうには何かがあるに違いないと、じっと目を凝らして見つめていることしかできません。ホストファミリーとともに、私も家の中に閉じ込もっていることが多かったのですが、それにもかかわらず冒険は冒険でした。このコロナ禍においても文化交流という冒険を脅かすことがなかったということ意味で、幸運でした。

-ホームステイ中、最も楽しかったのはどのようなことですか?

ジェイソンさん: このホームスティで、11歳と8歳の「妹たち」に出会いました。最初に会う時は、心臓がドキドキして緊張しましたが、時が経つにつれとても仲良くなりました。彼女たちと一緒に過ごすのは本当に楽しかったです。ホストファミリーは数年間、カリフォルニアに住んでいたことがあるので、皆さん英語を話せました。でも、私はできるだけ自分の日本語を上達させたかったので、ホストシスターにも協力してもらい助けてもらいました。

-どのようにして困難を克服しましたか?

ジェイソンさん: 最も大変だったのは言葉でした。ホストファーザーはいくつかの大学で教鞭を執る教授で、学生を家に招くことがありました。日本人の学生と一緒に過ごすのは非常に素晴らしい体験でした。しかし、彼らが日本語で会話を始めてしまうと、私には理解できないくらいのレベルとなり、疎外感を抱きました。でも、頑張って会話についていくよう一生懸命努力しました。粘り強くたゆまぬ努力をすることが重要なんだろうな、と思いました。

-コロナ禍でも来日しようと決意したのはなぜですか?

ジェイソンさん: 日本の文化が素晴らしくて。私は、高校に入学した頃から空手をやっていて、今も夢中です。また、日本語にも非常に興味がありました。日本語はまだまだ初心者レベルですが、一生懸命学んでいます。高校生の頃、図書館に行っては日本に関する本を読み、独学で日本語を勉強したものです。Googleで日本を検索した時、7か8スクロール目にTUJが載っていたので、15歳の時から、TUJにメールを送り始め、やり取りがはじまりました。

TUJからパンフレットが届いた時は、私はとても小さな町の出身なので、日本から郵便を受け取ったことに本当に興奮しました。そして、「アドミッション・オン・ザ・ロード」プログラムで近隣地域を訪れてたTUJの学生募集担当者に会うことになりました。私が会った担当の方は、英国に住んだことがあるベトナム人で、現在は日本にあるアメリカの大学(TUJ)で働いている。「彼女のようになりたい」と思いました。

そこで、私は、自分で貯金して、TUJの高校生向けサマープログラムに参加するため日本に行ってもよいかと母に尋ねました。毎日、授業が終わってから夜遅くまで、薬局でアルバイトをすることにしました。1年間働いて、やっと4,000ドル貯めて、2019年のサマープログラムに参加しました。本当に、素晴らしい体験でした。おそらく食べ物や建物、人物の写真を千枚以上撮ったのではないかと思います。TUJで出会った人たちは最高でした。

この体験で自信を得たので、サマープログラムをやり遂げることができたなら、TUJで大学生として学ぶこともできるだろうと考えました。こうして、私は日本にやってきたのです。パンデミックでも気持ちは変わりませんでした。

-実際にTUJに入学してみて、大学生活はいかがですか?

ジェイソンさん: TUJは、世界でも類を見ないほど、非常に多様性溢れる大学です。国籍が様々なだけでなく、みんな個性豊かです。私たちの誰もがある程度は、克服しなければならない固定観念や外国人への苦手感情を持っていたりしますが、TUJは、私たちが安心できる小宇宙のように感じました。優れたアイデアを持った人たちが集う創造性に富んだ場所です。アメリカにいる私の家族の中で、大学に通うのは私が初めてですが、ここで学び、他人への思いやりを身につけられて、正しい選択をしたと思います。

-ホームステイを検討している新入生にはどのようにアドバイスしますか? 

ジェイソンさん: 新しい環境では、戸惑うことでしょう。「家族」はそれぞれ違います。最初はある意味、霧の中にいるように思えるかもしれませんが、霧が晴れる日はやってきます。必ず、霧の中から出られる日がやがて来ます。心の準備をして、楽しんでください。