テンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)は、日本で唯一の米国の四年制大学として、様々な機会を通じて学術的議論の場を提供しています。教員主導の各種公開講座がTUJでは盛況を博していますが、今回特集する哲学レクチャーシリーズもその一つです。企画・運営は非常勤講師のヨルダンチョ・セクロフスキが務めています。


文/ヨルダンチョ・セクロフスキ

TUJ哲学レクチャーシリーズは、批判的思考の促進を目的として開催されている連続講演会です。世界中の大学から著名な哲学者・思想家を招き、講義を無料で一般公開しています。学生・研究者の双方に、哲学・人文学分野における最新の研究成果に親しんでもらうことが狙いです。

このレクチャーシリーズは、哲学者でTUJ非常勤講師の森里武(当時)とヨルダンチョ・セクロフスキの手により、2017年に誕生しました。現在、TUJのカリキュラムでは科目としての哲学の開講数が限られていますが、TUJでも学生が様々な哲学的問題・思想に触れられる機会を設けたい、というのが当初のモチベーションでした。シリーズを通じて世界中の人文系研究者を紹介し、日本における学際的・哲学的な営みの発信地としてTUJを位置づけることを目指しています。TUJは東京の港区南麻布という交通至便な場所にあることから、人々とつながり、新しいアイデアを議論し共有するための最適な環境にあります。

これまでにゲストスピーカーとして招いた研究者の出身国は米国、ベルギー、ドイツ、エストニア、そして日本と幅広く、各回約100人が参加しています。録画・編集された過去の講義はシリーズの公式ウェブサイトとTUJの公式YouTubeチャンネルでご覧いただけます。

哲学・思想について多くを学ぶことができるレクチャーシリーズは、学生から総じて好評を得ています。学生の学びたいという意志を尊重するのが我々の使命なのです。哲学を学ぶことはすなわち批判的思考と、それに基づく書く能力を伸ばすことを意味し、ひいては学生が将来就くであろういかなる職業でも有用だと言えます。

我々の活動は他大学・研究所とも活発に協働しており、今後も協力体制を一層強めていく予定です。例えば現在、早稲田大学・現代哲学プロジェクトとの連携が進められています。昨年(2017年)6月には、「見えるものと見えないものの間(はざま)」と題した国際会議を、TUJ、ブリュッセル自由大学、東京大学東洋文化研究所の共催で開催しました。

連絡先:philosophy_series@tuj.temple.edu