就職部の澤健太郎ディレクター

テンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)には、世界約60カ国から、国籍も、バックグラウンドも、年齢も様々な学生が通っています。卒業後の就職率が90%を上回るTUJには、それぞれの学生にきめ細やかなキャリアサポートを提供する就職部があります。多数の外国人、日本人学生をTUJから次のステージへと送り出してきた極意を、就職部の澤健太郎ディレクターに学生ライターの須江さやかが聞きました。

Q:TUJの卒業時期は5月、8月、12月と、日本の年度内に3回あり、日本の大学とは異なりますが、TUJの学生も日本の大学の学生と同じように就活をするのですか?

まず、就職を希望する国・地域によって活動時期や方法が異なります。TUJでは外国人学生が約6割を占め、日本での就職を希望する場合は、学業と同時並行して就職活動を行います。日本の大学と学事暦や学期の終わるスケジュールが異なるので、日本の年度サイクルに合わせたタイムマネージメントが重要になってきます。そのため、スケジュール管理や日常生活の中でも優先順位をつけることの大切さを学生には話しています。授業の取り方も、就活が忙しくなる学期は時間的な余裕をもたせるために難しいクラスが固まらないようにアドバイスしています。就職活動が佳境に入っている学生とは一緒に計画表を作ったりもします。また、応募する企業数も多くなりすぎないように指導しています。応募企業数を増やすよりも、自分とのマッチングやなりたい自分に近づくための最適な道を探す、可能な限り自分が進みたい業種・職種に近い長期インターンシップを経験してみる、といった作業に時間をかけてほしいからです。

Q:TUJの学生が受けられる就職サポートにはどのようなものがあるのでしょうか?

TUJで学ぶ学生が、在学中から卒業後のキャリアを考え、準備をし、最終的に仕事を探すプロセスで、具体的なサポート内容は3つのカテゴリーに分けられます。

1. 就職情報と機会の提供:

キャリアフェア、各種キャリアセミナー・ワークショップ、卒業生とのネットワークイベント、就職ガイドブック、日本・米国の求人票の告知、日本語面接特訓プログラム「日本語ブートキャンプ」、など、様々なイベントや情報の提供をしています。

2. 個別カウンセリング:

上記のような情報や機会の提供とあわせて重要なのが学生一人ひとりのニーズに合わせた指導・サポートです。特にTUJは多様なバックグラウンドをもつ学生が在籍しているため、それぞれが違った強み、キャリアプランをもち、全員に共通して指導できることは限られているので、基礎情報の提供以外は個別でのサポートを原則としています。

3. インターンシップ:

TUJでは、自分の殻から飛び出して、将来の仕事に繋がるような就業体験を積むことを強く推奨しています。インターンシップでは自分の将来に向けて、以下のような準備や経験ができます。

  • 授業で学んだことを現場で実践できる
  • 将来のキャリアを真剣に考える機会となる
  • ビジネスパーソンとしての基本を学べる
  • 本物のプロジェクトに関わることで責任感を養える
  • 将来役立つ業務スキルが身につく
  • 各職種のプロとのネットワークができる

Q:日本の大学の就職サポートとは違う特長を挙げてください。

個別でのサポートにより多くの時間を割くこと、約3カ月間の単位認定型長期インターンシッププログラムで経験値を高めることの2点が特長です。

Q:TUJの学生だからこそ企業にアピールできると思われる点はどんなところでしょうか?

一言で言うと「バランスよく物事を見る力」でしょうか。今まで触れたことのない他人の価値観や考えを理解したり、時には自分の考えを一から説明して相手に理解させたり、全く考え方の違うメンバーで一つのゴールをめざしたり。学生の約6割を占める外国人学生と一緒に授業を受けるため、偏りのないものの見方が毎日要求されます。そのため、多様性を受け入れ、生み出し、提供する、といった仕事で力を発揮できると思います。

Q:ディレクター自身、日本の大学卒業後、米国の大学院に進学しています。

米国留学のころは、学業と同時に音楽活動にも取り組んでいました。大学院の勉強は大変でしたが、好きな音楽への挑戦もあきらめられず二足のわらじ状態でした。寝る間もないくらい大変でしたが、今思い出してみても、大学院での勉強も、音楽活動も最高でした。この時期の経験が今の私をつくっているといっても過言ではありません。そのせいか、授業、アルバイト、インターン、その他いろいろなチャレンジをしている学生を見ていると、「そうそう、それでいいんだよ」と応援したくなります。今でも、音楽でプロになれていたら…と考えることはありますね。「好き」を仕事にできたら、それ以上のことはありません。TUJの学生にも、まずは「好き」を軸に就職を考えてみてほしいと願っています。

Q:最後に、どのような想いでそれぞれの学生に向き合い、就職サポートにあたっているか聞かせてください。

卒業して1年、2年経った時点で、「自分はいいキャリアスタートがきれている!」と思ってもらえるようなサポートを心掛けています。

澤健太郎 就職部ディレクター、就職部にて

学生ライターの視点

ディレクターをはじめ就職部のキャリアアドバイザーは、就職やインターンシップの相談に真摯に向き合い、学生のやりたいことに耳を傾け、それぞれに合った助言をする、私たち学生にとって非常に心強い存在です。個別カウンセリングに力を入れた、きめ細やかな就活アドバイスはTUJならではのキャリアサポートで、学生の巣立ちの強力な応援団です。


文、写真:須江彩花(すえさやか)

テンプル大学ジャパンキャンパス国際関係学科・政治学科3年生。大学や外部オンラインニュースでライターとして活躍。趣味はピアノ、旅行、星空観察。