大学スポーツ日米共同研究フェーズII 最終報告会を開催~筑波大×米テンプル大×ドーム(アンダーアーマー)

日本版NCAA創設へ向けて

3月7日、「大学スポーツ振興に関する共同研究フェーズII」最終報告会が筑波大学東京キャンパス(東京・文京区)で開催されました。これは筑波大学、米テンプル大学(本学米国本校)、株式会社ドームが2016年より日米共同で進める取り組みで、本報告会はそのフェーズIIの総括に当たります。報告会は、筑波大のスポーツ庁委託業務「大学横断的かつ競技横断的統括組織(日本版NCAA)創設事業(大学スポーツ振興の推進)」に関する報告会も兼ねていることから、同大アスレチックデパートメント(AD)設置に向けた具体的な取り組みや、大学スポーツ改革が社会全体にもたらす変革についての議論も行われました。


第一部の冒頭で、筑波大の松元剛准教授が、本プロジェクトの背景にある「日本再興戦略2016(PDF: 2.9MB)」や「スポーツ未来開拓会議」において、大学スポーツに大きな期待が寄せられていることや、政府が進める「日本版NCAA創設に向けた学産官連携協議会」の動向について触れました。次に、本学米国本校の教授ダニエル・ファンクは、米国の事例をもとに大学スポーツ振興がもたらす利点について報告を行いました。「2018年問題」といわれる学生数の減少はじめ日本の高等教育が抱える課題を解決するには、大学の学生募集の取り組みやブランディングのみならず、社会にもたらす好影響からも、スポーツが糸口となり得ると強調しました。続いて、ミネソタ大学の井上雄平助教(本学米国本校2011年博士課程修了)は、大学スポーツの財政分析として、年間総収入100億ドル(約1.1兆円)に上る米国の大学スポーツ市場の収入構造と、全米大学体育協会(NCAA)本部の果たす役割について触れました。


また、本学米国本校の上級准教授ジェレミー・ジョーダンは、日米大学スポーツに関する調査に基づき、筑波大を事例として日本におけるAD設置に向けた組織づくりについて、フェーズI(情報収集)、II(開発・準備)、 III(統治・発展)の段階的アプローチを提案しました。それを受け、筑波大のスポーツアドミニストレーターである山田晋三氏は、筑波大のAD設置に関わる具体的な取り組みについて、「簡単な道のりではなかった」としながらも、大学の価値向上に利する活動とのミッションとビジョンの共有、学内におけるADへの理解の普及に注力してきたことを強調しました。


続く第二部の基調講演で、東京大学の境田正樹理事は「大学スポーツと地方創生」と題して、日本のスポーツビジネスの事例としてBリーグ創設の背景と、その事業規模の大幅拡大をもたらしたプロバスケットボール界の改革について語りました。また、2016年に設立した東京大学スポーツ先端科学研究拠点によるビッグデータを活用したAIによる「テイラーメイド型アスリート強化プロジェクト」構想や、日本版NCAA創設に向けて、大学と自治体、産業界との連携がもたらす地域経済の発展への期待について言及しました。

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