米国テンプル大学本校 総長リチャード・イングラート(左から2番目)、教務担当副総長 ジョアンナ・エップス(右から2番目)とTUJ使節団 --- 写真:Joseph V. Labolito / Temple University

テンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)は、11月15日に米国フィラデルフィア本校で開かれた「第12回グローバル・テンプル・カンファレンス(以下“グローバル・テンプル”)」に、6人の代表団を派遣しました。今回、TUJから初めて、複数の学部教授陣と学生、職員が参加することとなりました。「 (TUJ開校) 35周年記念の年に、2人の優秀な教授と2人の才能あふれる学生と共に“グローバル・テンプル”に参加できることをとりわけ誇りに思います」と、TUJの最高教務責任者アリステア・ハワードは言っています。「私たち教授、学生、職員が、歴史ある(本校の)サリバン・ホールで、イングラート総長とエップス・プロボスト(教務担当副総長)を表敬訪問できたことは、大変光栄です」。

第12回 “グローバル・テンプル”は終日にわたるシンポジウムで、『世界におけるテンプル大学、テンプル大学における世界』をテーマとして毎年開催を重ねています。テンプル大学全学から150人以上の教授陣、学生、職員による、幅広いグローバルな話題についての論文、パネルディスカッション、映像作品上映、パフォーマンス、ポスター発表が繰り広げられました。

「今回、“グローバル・テンプル”でTUJ代表団の一番の目玉は、肥田ひかりさんとジェフリー・マツィオッタさんの発表でした」と、TUJの学生パネルで司会を務めた上級准教授 永井真理子は話しています。「自信を持って提出されたレベルの高い学術的著作、多様性と多文化主義の体現、国際的な考え方、どれをとっても彼らはTUJの最高の学生代表です」。永井自身は『鈴木しづ子の俳句における占領された身体』を発表し、忘れられた日本人女流俳人・鈴木しづ子が書いた一連の俳句で描写されている、戦後占領期の国家公認の売春について触れました。

政治学とアジア研究を同時専攻している2年生の肥田ひかりさんは、『アイデンティティの構築:単一民族の日本においてハーフであること』を発表し、日本における混血の歴史的なイメージと、ハーフの日本人女性として自身の経験について論じました。「本校に来て、フィラデルフィアを初めて探索する機会を得られたことを、とてもありがたく思っています」と、2人の教授から推薦され学生代表となった肥田さんは語っています。「今回の訪問の一番の思い出は…私のプレゼンの後に受け取った聴衆からの温かい反応です。どうやら私が思っていたよりも皆さんの胸に響いたようでした」。

『自由と民主主義を守って:ベトナムにおける米国の段階的拡大の外交政策分析』を発表した2017年卒(政治学科)のジェフ・マツィオッタさんは、ベトナム戦争の影響に関する彼の見方と分析について話しました。今年TUJを卒業したばかりの彼は、TUJで最優秀賞に輝いた自らの卒業研究で、今回発表の推薦を得ました。「“グローバル・テンプル”への参加の機会はやりがいがあって、自分を奮い立たせるものでした」とマツィオッタさんは振り返ります。「(米国本校の)総長、プロボストとお会いできたのも非常に光栄なことで、自分にとってこの重要な(母校との)関係を育むための素晴らしい機会でした」。

「この旅は、あらゆる面で私の期待をはるかに超えていて、長い間心に残る良い経験となりました」と彼は付け加えました。

教授団では、上級准教授ジェームズ・ブラウンが『ロシアの北朝鮮政策:敵対的行動の助長者か、平和への貢献者か?』と題して発表し、ロシア、米国、中国の北朝鮮に対する政治的行動に関する洞察を披露しました。ブラウンは、2人の学生の発表が卓越したものであったと永井に同意しつつ、「本校の同僚、教授陣と直接意見交換する機会があったことも大変貴重でした」と付け加えました。

TUJ代表団が本校で実りある交流と大会参加を成功裡に終えたことを受け、最高教務責任者ハワードは、「来年を楽しみにしています」と語っています。