学生の学びと書く力をはぐくむ「全カリキュラムを通じた文章力向上」の取り組み

テンプル大学ジャパンキャンパス(東京都港区/学長ブルース・ストロナク/TUJ)では、米国式のリベラルアーツ教育(教養教育)を基礎として、国際ビジネスからアートまで10の学部専攻学科で幅広い科目を提供しています。TUJでは文章力の重要性を認識し、「全カリキュラムを通じた文章力向上(Writing Across the Curriculum)」を推進する取り組みを進めています。文章力に優れている学生は、将来どの業界で仕事を得ても成功する確率が高いことから、この取り組みでは、一年次だけでなく四年間のカリキュラムを通して、学生の文章力を向上、維持することを目指しています。この取り組みがTUJの学生と教員の双方に役立つ理由や方法について、最高教務責任者アリスター・ハワードと英語学専任講師アダ・アンヘルが以下のとおり説明しています。


文/アリスター・ハワード、アダ・アンヘル

文章力の重要性

TUJでは、学生が卒業するまでに全員が優れた文章力を身につけているべきだと考えています。書く力は、大学でも、就職活動においても、そして、その後の職業人生にわたっても不可欠なものだからです。卒業後、大学院で研究を続けたいか、すぐに職業に就きたいかに関わらず、学生は、成功するためには文章力と会話力が必須であることに気づくでしょう。仕事に応募する際も応募書類を作成しなければならず、その書類の質によって雇われるかどうか決まることも多いのです。同時に、どんな業界でも雇用者側は、複雑な考えを文章で素早く明確に理解、分析し、伝えられる人材を望んでいます。例えば書き手がアート専攻の学生、社会科学者、あるいは地域の専門家であっても、優れた文章力は書き手の信頼性と能力、そして教育を表します。

TUJには四年間のカリキュラムを通じて、学生が文章力を向上させるための多くの機会があります。学生はまず、本学で長い歴史のある初年次ライティングプログラムで、学術的な文章の書き方を学び始めます。そこでは、文章構造、意見の構成、一貫性、結合の技術など、学術的文章の作成に関する基本的な約束事を学びます。学生がこれらのスキルを維持し、二、三、四年次でその文章作成能力に磨きをかけることができるように、「全カリキュラムを通じた文章力向上」を推進する取り組みを開始しました。この取り組みでは、文章作成はただ一連の約束事をマスターするだけのものではなく、教科の知識を深めるための自然な一部分と考えられています。そして、この取り組みを重視するプログラムでは、学生は学術的文章を書くことを学ぶだけでなく、学ぶために書くことを奨励されます。

カリキュラムに文章力向上を組み込むには

「全カリキュラムを通じた文章力向上」を推進する取り組みは、専門科目のカリキュラムに文章作成を組み込んで、学生と指導教員の両者を支援することを目的としています。そのために本学では教員向けワークショップを開催して、授業で文章作成を重視し、教科の指導に組み込むために教員が利用できる様々なテクニックや戦略を示しています。成功が証明されている方法の一つには、指導教員が授業の教材やコースの読み物について、簡単で形式ばらない作文の宿題を出すことがあります。これは、自由作文でもブログでも短い要約でもよいのです。

例えば生物学の教授が、講義やグループ研究の重要な事項について簡単に要約するよう学生に指示したとします。適切に実行されれば、学ぶために書くというこのような行為は、学生が重要な事項とそうでないものを区別する、講義ノートをとる技術を習得する、概念を解釈する、批判的に考える、知識を共有する、そして教科で学ぶべき主題を記憶することなどに役立つはずです。同時に、このような作文の宿題は、教授が学生の授業の理解度や教え方の効果を評価する上でも役立ちます。

TUJでは、単に「科目まるごと(を教えること)」ではなく、「学生まるごと(を教育すること)」に焦点を当てた人材育成に努めています。そして、学生がその知識の妥当性を効果的に実社会で伝える技術を習得できるようにしたいと考えています。入念に計画し、教員と学生が真摯に努めれば、「全カリキュラムを通じた文章力向上」を推進する取り組みによって、TUJの学生は、職場や大学院で成功するために必要な文章力を獲得し、コミュニケーション能力の重要性を学んで卒業することになるでしょう。