グローバル・リーダーにいま求められる「多国籍・多業種間」の学び合いとは

変化への柔軟な対応が日々求められるビジネスの世界で、グローバル・リーダーとして求められているスキルとは?
エグゼクティブMBAプログラムを通して何が得られるのか?

世界トップクラスの投資銀行ゴールドマンサックス出身で、自身も米国でMBAを取得し、テンプル大学ジャパンキャンパス(東京都港区/TUJ)でエグゼクティブMBAプログラムディレクターを務める森美樹也に、いまグローバルに展開するビジネスにおいて、エグゼクティブを目指すミッドキャリアマネジャー(中間管理職)に求められている「学び」について聞きました。

Q. いまビジネスリーダーに求められる「学び」とは。

リーダーという立場だからこそ生じる問題を他のリーダーと共有し、論じながら策を講じるなど、実践的な機会を得る事ができる環境で「学ぶ」ことです。外国人とビジネスをする機会がもはや日常となった今日、多国籍多業種のリーダーと学び合うことが益々重要になってきています。

Q. 「共に学ぶ」環境という事でしょうか?

全ての参加者が、「共に学ぶ」ことを受け入れ、かつ、自身の経験に基づいた意見を他者と積極的に共有する姿勢を持っていることが必須となります。

Q. テンプル大学エグゼクティブMBAプログラムで学ぶことで、何を得られますか?

企業経営全般をトップマネジメントの立場に立って戦略的に考える能力が身につきます。考え方や方法論が既に確立されている方々にこそ、自身の経験論を確認し、それを再度体系立てて振り返る機会になり、新たな発見につながると思います。

受講生は日本をはじめ米国、アジア、欧州など多国籍であるだけでなく、経営者やカントリー・マネジャーなどリーダーとして活躍する方も多く、多業種で様々な経験を持つクラスメートの中で、互いを受け入れ理解する能力や、自分の考えを理解してもらう訓練も積むことができます。以下は当プログラムが目指す6つのラーニングゴールで、プログラムの特徴を良く現しています。

Q. プログラムの特色を端的に教えてください。

リーダーシップ、戦略、グローバル・スタディーズを念頭にカリキュラムが組まれており、多国籍なチームを組んで学びあうことに重点を置いています。今まさに起こっているビジネスの課題について企業幹部を授業に招き、直接学ぶこともあります。仕事を辞めずに受講できるよう、週末に授業を行っています。月の第一土曜日に行われる導入部分は、ネットを介した遠隔授業で、その後、担当教授がフィラデルフィアの米国本校より来日し、第二第三週末(土日)に通学授業が行われます。そして、第四土曜日に行われる最後の授業は再び遠隔で授業が行われます。1カ月に1科目を履修するサイクルで、途中8月、12月の休暇月をはさんで、全16科目を18カ月で修了します。

全16科目のうち12科目は米国テンプル大学フォックビジネススクールがフィラデルフィア本校やその他の海外キャンパスで開講しているエグゼクティブMBAプログラムとの共通科目になっています。また、出張などの自身のスケジュールに合わせて、最大2科目まで海外キャンパスで現地の社会人と学ぶ事が出来ます。

Q. エグゼクティブMBAプログラムで培ったネットワークは、どのように役に立つのでしょうか?

多国籍多業種のクラスメートと共に厳しい課題に取り組むことで、強い絆が培われます。そして、その強い絆を元に、卒業後も生涯お互いを支え合う関係を築くことになります。このネットワークにより、自身の専門分野外のエキスパートであるクラスメートにアドバイスを求められるという点は大変貴重です。「同じ釜の飯を食う」とはよく言ったもので、議論をぶつけながら18カ月切磋琢磨することでクラスメートとの熱い信頼関係が生まれます。また、卒業生の中には昔のクラスメートと起業したケースもあります。

Q. 全プログラムが英語という点にはどんな意味があるのでしょうか?

世界のビジネスで共通言語は英語です。多国籍の職場では会議は英語で行われます。実践を考えれば、MBAの科目を英語で多国籍多業種の社会人と一緒に学ぶ方が効率が良いのです。日本人の卒業生から入学当初は英語のハンデがあり授業についていくのが大変だったが、自分の意見も躊躇することなく言えるようになったことは非常に大きいと良く聞きます。クライアントへの英語でのプレゼンにも抵抗がなくなり、海外出張も億劫でなくなったという話も聞きます。また、会計や金融を英語で学んだ事が提携先の選別にも役に立ったなど、ビジネスに直結するポジティブな意見も多く聞きます。また、外国人と一緒に学ぶことで仲間意識が生まれ、卒業後も、プログラムを通して培われたネットワークのおかげで、色々な面で自分のためになっているとよく聞きます。

Q. なぜ、いま日本のシニアエグゼクティブもTUJで提供するようなプログラムで学ぶ必要があるのか。

近年卒業した日本人の外資系企業トップが「このプログラムは企業幹部クラスにもぜひお勧めしたい」と振り返っておられました。変革を推進し、新しいビジネスモデルを常に見出していかなくてはならないエグゼクティブにとって、自身の考え方に凝り固まることなく、常に新しい考え方を取り入れる姿勢を持つことが求められています。自分の考えが外国人にどう評価されるのか、また、外国人はどんな観点でものを見るのか。外国人エグゼクティブとの議論を通じて、自分と異なる考え方があることを理解し、新たな気づきのある学びが大切です。テンプル大学のエグゼクティブMBAプログラムは、これを可能にする環境づくりをしています。

Q. グローバルな学びの場を作るにあたり、どのような環境整備がなされているのでしょう。

まず、受講生の経験に大きな差がないよう、就労経験が最低でも7年以上あり、かつ、マネジメントの経験が少なくとも5年ある方を選んでいます。クラスメートと作るチームへの貢献を積極的にできることが重要です。次に講師陣ですが、3分の2の授業は米国フィラデルフィア本校から教授が授業の都度、来日して教鞭をとります。米国本校ビジネススクールの経験豊富な教授が担当しています。

写真:森 美樹也

科目毎のグループワークのチーム編成は、どのチームも多国籍かつ多業種の学生から構成されるように配慮しているのも特徴です。また、希望者には、海外キャンパスで学べる制度もあります。過去にはパリで学ぶエジプト人エンジニアが来日して授業に参加しましたし、シンガポール在住でエネルギー関連の仕事をするイギリス人が日本で学んだこともありました。今後ますます各国間のプログラム交流は深まっていくことでしょう。

また、年2回開催される「Global Integrated Workshop(グローバル同時ワークショップ)」では、ネットを介して世界同時に授業が行われます。日本の夜、欧州の午後、アメリカの朝、といった具合です。世界4拠点の学生たちがグループに分けられ、それぞれの課題に同時に取り組むのです。面識のない学生と組んだ即席チームでのワークは、非常に新鮮かつ大きな挑戦であったが、良い経験になったとの感想を聞いています。

Q. ディレクター自身、アメリカでMBAを取得しています。

私が16年間勤めたゴールドマンサックスは世界最大級の投資銀行です。多くのMBAホルダーが勤務する企業で、私は部長になってから、自分の中に足らないものを感じた為、会社にお願いをして米国MBA留学のために円満退社をさせていただきました。米国以外出身の中間管理職が多く集まるプログラムに入ったわけですが、戦略コースの課題でハーバードのケーススタディに取り組むうちに、戦略の大切さに目がいくようになりました。たとえば、トヨタやホンダ、日産、メルセデス、GMはそれぞれ何で勝負しているのか、突き詰めて考えるようになりました。MBAを終えて復職した時、日産とトヨタは一体何が違うのか、リソースの分配?それともマーケットシェア?はたまた戦略の違い?などそういったことを考えられるようになっていました。こうした経験から言えることは、ビジネス経験が豊富な方は、同等の経験を持った受講生が参加するMBA プログラムを選択すると大変有益だということです。

Q. 「エグゼクティブMBAで学ぶ」重要性はどこにあるのでしょうか。

自分ひとりで学ぶのではなく、仕事の経験値が高い人たちと共に課題に取り組み、自分の経験を他者と共有しながら学びあう。特にグローバルといわれる時代では、多国籍多業種の人たちと学ぶことが大切です。その理由は、日本人同士では考えつかないものの見方が学べるからです。同時に、外国人と接することへの抵抗がより少なくなります。

これは東京在住の米国人社長の言葉ですが、TUJのエグゼクティブMBAという学びの場所で重要な事は、勤務先とは別の場所で利害関係の無い多国籍多業種のクラスメートと「働きながら学ぶ、というチャレンジ精神旺盛な人たちと学びあえるところ」です。企業内研修などでは、同僚や上司が同席して、「間違った事を言ってはいけない」とか、「研修が自分の評価に繋がるため、発言を求められても慎重にならざるを得ない」など、人目を気にするあまり、本当の学びにならない事が多くあります。AACSBの認証を受けた米国大学のMBAの授業で、自分の考えを試してみる。それに対して、多国籍他業種のクラスメートがどう反応するのか。自分の勤務評価に関わる人がいない環境で学ぶという意味では、「安心して学べる、守られた環境」といえます。もちろん、成績はつきますが(笑)。

エグゼクティブMBAプログラム

イメージ写真:EMBA

テンプル大学フォックスビジネススクールでは、東京を含む世界4カ所でエグゼクティブMBAプログラムを提供しています。社会人を対象にしており、18カ月で学位を取得する事ができます。

プログラム説明会やイベント等、随時開催しています。