写真:写真は会津高原での合宿から。必携のiPadを使いながら、動植物の観察・研究を行いました

テンプル大学ジャパンキャンパス(東京都港区/学長ブルース・ストロナク、以下テンプルジャパン)は、学校法人根津育英会武蔵学園とともに「ムサシ・テンプルREDプログラム」(以下RED)の企画開発を進めています。REDは、英語圏の大学に進学を目指す中学生・高校生を対象とした、ただ英語を学ぶだけでなく理論的思考力を身につけるためのプログラムです。「科学」をテーマに、Research(調べる)、Essay writing(書く)、Debate(話し合う)のトレーニングを英語で行うもので、カリキュラムの開発をテンプルジャパンが担当しています。このたび、そのパイロット版サマープログラムが、8月10日(土)~31日(土)の日程で実施されました。

このREDパイロット版サマープログラムは、武蔵学園の江古田キャンパスへの通学(10日間)および福島県・会津高原における合宿(10日間)で構成され、武蔵中学校を中心に中学2年生24名が参加しました。31日に行われた最終課題のプレゼンテーションでは、生徒たちが合宿中に会津高原の自然の中で自ら観察対象に選んだ動植物について、原稿を見ずに英語での発表に臨みました。

本プログラムの講師は、テンプルジャパンのアカデミック・イングリッシュ・プログラム(AEP=大学附属英語研修課程)で教鞭をとるダニエル・クラッパーが務め、このほかテンプルジャパン学部課程在学中の留学生など4名がコーチとして指導にあたりました。

写真:最終課題のプレゼンテーション
最終課題のプレゼンテーション

「20日間を通して生徒は、『調べる・書く・話し合う』のサイクルを繰り返しながら、フィールドでのグループワークを中心に、動植物に関する探求を行いました。iPadを使用したオリジナルワークブックは、すでに学校の授業で学んだ構文を使って語彙力を強化するとともに、物事を概念化し、理論的に説明する力を身につけるよう設計されたものです。このプログラムは一方的に知識を教え込むものではなく、あくまでも学習者が中心。生徒一人ひとりの自主性を重んじ、それぞれが主体的な体験と共同作業を通してオリジナルのものを作りあげていきます。それは最終的に、写真や地図、図表を使った英語によるリサーチポートフォリオという、教室外でも十分に価値のあるものに仕上がりました。このような訓練は、英語圏の大学に進学する準備となるだけでなく、これからの世界で成功するキャリアのために役立つでしょう」(ダニエル・クラッパー)

「REDのカリキュラム開発は、中学、高校、と分断して考えるのではなく、小学校から大学、さらにその後まで見据えたストラクチャー(枠組み)が必要です。つまり、海外の大学に入るためだけでなく、入った後、さらに卒業後の人生でも成功するためには中学・高校で何が必要か、を考えなければなりません。だからこそ、このプログラムの開発に米国大学であるテンプルが関与することの意味は大きいのです。テンプルのAEPは米国大学で教養(リベラルアーツ)教育を受けるための準備教育を得意としており、そのAEPによる開発ならではの内容となっています」(テンプルジャパンAEPディレクター水沼恵美子)

REDは、今回のパイロットの結果を鑑みながらカリキュラムを完成し、2014年8月より順次、中学生向け・高校生向けのコースをスタートさせる予定です。

写真:フィールドでのグループワーク
フィールドでのグループワーク

武蔵大学、武蔵高等学校中学校とテンプルジャパンは、2009年に「教育・学術上の連携に関する基本協定」を締結し、単位互換や図書館の相互利用などを実施しています。テンプルジャパンは、RED以外にも武蔵大学、武蔵高等学校・中学校向けの夏期英語研修プログラムを2010年から提供しています。

テンプルジャパンは今後も、米国大学日本校のパイオニアとして、こうした日本の大学との連携を深め、日本社会のグローバル化への貢献を拡大していきたい考えです。

講師紹介

ダニエル・クラッパー

テンプル大学アカデミック・イングリッシュ・プログラム講師

PMP (プロジェクト・マネジメント・プロフェッショナル=PMI 本部認定プロジェクトマネジメントに関する国際資格)
サンノゼ州立大学 人工頭脳学(サイバネティクスシステム)修士
テンプル大学 教育学英語教授法修士
カリフォルニア州立大学 英語学修士

画像:ダニエル・クラッパーから英語で説明を受ける生徒
ダニエル・クラッパーから英語で説明を受ける生徒