春原陽子:
日本の芸術のスペシャリストに聞く

先生の経験について詳しく教えてください

美術ジャーナリストとして日本、韓国、中国などアジアの美術を専門とするコラムを1997年からジャパンタイムズ新聞に執筆しております。また、アメリカ合衆国ノースカロライナ大学で日本美術の講演をしております。日本特派員として韓国ソウルTBS英語FM放送局で日本の文化情報を英語でラジオ番組に紹介しておりました。

上智大学外国語学部比較文化学科卒業、同大学院修士課程を卒業。大学・大学院共に東アジアの美術史を専攻。テンプル大学生涯教育では17年間の講師としての功績で賞をいただきました。

担当する講座について詳しく聞かせてください

私の担当する『日本美術を楽しむ』コースでは、平安時代から現代まで日本美術を英語で習得します。絵画、浮世絵、茶道で使う陶磁器、宝物の日本刀などを学ぶ全8回のコースの講義は、大学で行うスライドレクチャー、美術館や資料館、また骨董店など現場でも学びます。実物を見て可能なら手で触れることで「美」をより深く理解し、楽しんでいただきたいと思います。

例えば江戸時代に庶民の娯楽作品として親しまれた浮世絵を実際に手にすることで、その紙の薄さ、軽さに驚かれるでしょう。また、それが作られた時代・文化的背景が解ります。そして掛け軸の掛け方、しまい方、保管方法を実際に体験する事で単なる教養ではない知識が身につきます。

先生の講座を修了した受講生のサクセス・ストーリーがあれば聞かせてください。

講義はすべて英語で行いますが“自分の英語力で大丈夫だろうか”と不安を感じる方もいらっしゃるかも知れません。しかし、その心配は無用です。実際に初級レベルを脱したばかりという方が外国人の受講者たちと絵画や陶磁器などのテーマを和気藹々とおしゃべりする姿は当たり前になっております。それを可能にするのは美術作品という対象があるからです。この講座をきっかけに「外国の方にも自信を持って指導することができるようになりました」という茶道の先生もいらっしゃいます。

どのような方が先生のコースを受講していますか。

受講生の半数は外国人で、職業もビジネスパーソン、大使館員、美術館ガイドから主婦まで多種多様です。皆さんでお互いの意見や感想を交換していると、美術品を見る視点の違いが如実に表れ、そこから一人ひとりの新たな解釈が始まって行くようです。日本人の受講生は、自国の伝統的な文化や美術を正しく理解し、その特徴や魅力を外国人に英語で伝えたいという目的を持って学ぶ方が多いです。

ご存知でしたか?

現在私は日本の素晴らしい芸術を紹介する美術館巡りの動画や、東京で開催中の展覧会を取材した画像を使ったバーチャルツアーで、海外の大学でも日本美術のインターネット講演を始めました。