澤田和子、LL.M.(2011年卒業)

As of June 2011

澤田和子

法学修士(LL.M.)

澤田さんは現在、オリックス株式会社グローバル事業本部シニアヴァイスプレジデントとして活躍中です。仕事と家庭と勉強を両立させつつ、4年間かけてテンプル大学ロースクールの法学修士号(LLM)を取得した澤田さんにお話を伺いました。

お仕事の内容を教えてください。

海外投資営業部隊の法務チーム長として、所属部の直接海外投資における法務全般を担当しています。具体的には、航空機、船舶、コーポレートファイナンス、事業開発、マーケティングおよび業務管理チームで取り組む案件に関する契約書全般について、投・融資委員会で承認された稟議書の内容に則って作成されているか等の検証、修正、承認を行うほか、執行役や営業および弁護士との折衝なども担当します。

最初から法務のキャリアを目指されたのですか?

大学は法学部を卒業したのですが、その後デザインの勉強がしたくて、桑沢デザイン研究所で服飾デザイン、カロインテリアデザイン研究所でインテリアデザインを学びました。20代後半には、舞台美術家になる夢を持ってアメリカに渡り、サンフランシスコ州立大の演劇学科修士課程に1年在学しました。その間、現地の劇場で衣装制作や照明などのアルバイトを経験しましたが、結婚を機に、夕方・夜間の作業が多い舞台美術の世界は諦めることにしたのです。2人の娘を育てながらできる仕事として、法律の世界に戻りました。パラリーガル・コースを修了し、サンフランシスコのベーカー&マッケンジー法律事務所の訴訟部門のクラークとして採用されました。その後は米国内のいくつかの法律事務所でパラリーガルとしての経験を積みました。

法律事務所でリーガルキャリアを開始されたわけですが、今は事業会社でいらっしゃいますね。

はい。1992年に母の看護のため帰国した後も、しばらく外資系法律事務所に勤務していましたが、企業では実際に営業がどのように案件取組を構築していくのか、知りたいと思ったのです。また、その取組を実現する上での実務処理などについても勉強したくて、"武者修行"のため、事業会社へ転職しました。BNPパリバ証券、ING証券、ABNアムロ証券、シタデル・インベストメント、サーベラスジャパンを経て、現在のオリックスには2006年に入社しました。この間、一貫して法務に携わってきましたが、どちらかというとtransaction lawyerタイプ(営業と一緒に案件取組から契約書作成、クロージングまで一貫して共同で作業)の仕事に従事しています。

なぜLL.M.を取得したいと思われたのですか?

本当はアメリカ在住中に、LL.M.を取得して弁護士資格をとりたかったのです。でも諸般の状況がそれを許さず、短期間で修了できるパラリーガル・コースを選ばざるを得ませんでした。いまは子供たちも社会人となり、仕事上では少なくとも現役弁護士と同等の知識を持っていなければいけないと考えて、大学院に戻りました。今回晴れてLL.M.を取得できたのは私にとって大きな意味があります。

LL.M.へ向けての勉強中は、なにがいちばん大変でしたか?

ボケかけた頭で、若くてエネルギーに満ちた同級生についていけるか、ですね(笑)。でも、もともと好きなことはとことん追求する性格なので、授業が面白くて興味を持ちつづけることができましたから、いつのまにかみんなも、私の年齢は気にならなくなったのではないかな?忙しさのあまり、家庭ではいろいろなことに対して充分な配慮ができず、娘から一時反発もありましたが、卒業まで家族もよくサポートしてくれました。

LL.M.を取得したことで、なにか仕事上の変化はありましたか?

なにより自信がつきましたね。日々の仕事では常に判断が求められますが、それが確固たる裏づけに基づいていることを自分自身が自信をもって言えるようになり、ゆとりが出てきました。私の判断が揺らがないので、営業部門からはさらに頼りにされ、仕事量も増えて、自分で自分の首を締めたかなとも思っていますが(笑)。

澤田さんの人生の夢をお聞かせください。

今まで生きることに精一杯だったので、今日までサポートしてくださったたくさんの方々(中にはすでにお亡くなりになった方もいらっしゃいます)、また東日本大震災で被災された方々へ、何かの形で、死ぬまで恩返しや援助をしていきたいと思っています。どんな形になるにせよ、それを考え、実行していくのが私の夢です。