企業インタビュー(インターンシップ・プログラム): 日本テキサス・インスツルメンツ

企業概要

組織名:
日本テキサス・インスツルメンツ
業界:
半導体
社員数:
約1,200名
ウェブサイト:
http://www.tij.co.jp
日本テキサス・インスツルメンツ:
Gavin Reid (GR), Controller
Yuko Nuki (YN), Manager, Marketing Pricing
TUJインタビュアー:
William Swinton (WS), Director, International Business Program

WS どうしてインターンシップ・プログラムを始めようと思ったのですか?

GR 私はテキサス・インスツルメンツ(TI)で18年間働いてきました。その間、アメリカ、ヨーロッパ、インドなどに赴任したことがあり、日本に来る前はフィリピンにいました。それらの国々の大学にはとてもしっかりとしたインターンシップ・プログラムがあり、TIでも6カ月ごとに学生をチームに参加させていました。それぞれの大学からどういった人材が輩出されているのかを知り、そして既存の社員と比較することで、チームだけでなく学生インターンの能力を伸ばすより多くの機会を得ることができました。すごく良い循環だと思っていたのですが、日本にはまだそのようなプログラムがありませんでした。しかし、ある時ビジネスセミナーでTUJの教授に会い、インターンシップについて話す機会がありました。それをきっかけに日本でもインターンシップ・プログラムが始まったのです。

TUJの学生たちとの面接にはとても満足でした。応募書類の完成度も高く、面接時の態度もとてもしっかりとしていたからです。

その前の年に、新卒学生の採用を試みたのですが、正直に言って採用したいと思う学生はいませんでした。だからこそ私はインターンシップを重視しています。テキサス・インスツルメンツにおいて、大学の時から才能を見出し採用へと繋げることはとても重要なことです。それは日本テキサス・インスツルメンツに限らず、世界中のテキサス・インスツルメンツでも極めて重要だと考えられていることです。

WS どのような人物また特徴を持った人材を探していますか?

GR 私が探しているのはやる気に溢れていて、有能で、成長する意欲を持った人材です。どのような学歴があるかはもちろん重要ですが、現場で与えられた役割の中で何をするべきか、そのために学んでいく能力を持っていることがより重要です。こうしたことを私は学生に求めています。さらに言えば組織という環境の中で働いたり、他の同僚と上手くコミュニケーションがとれそうかといった性格的な側面も見ています。

WS そうしたことを知るためにどのような面接をするのですか?

GR 日本で行われる面接はあまりに堅苦しい時があります。私は面接ではなるべくリラックスした雰囲気を作って、相手の普段の態度や姿勢などを見るようにしています。質問を聞いてよく理解した上で真摯に答えているかを見るようにしています。大学で何を学んだとか、これからのキャリアで何をしたいかだけでなく、家族、スポーツ、クラブなどの私生活での経験についても尋ねるようにしています。また、協調性があるか、労働倫理はしっかりしているか、ストレスのある環境をどのように対処するか、時間の管理はできるか、物事の優先順位が決められるかなどを見るようにもしています。

WS TUJのバイリンガル・インターンはどのように日本テキサス・インスツルメンツに貢献してきましたか?

GR 私が日本に来たときは、社内コミュニケーションには改善の余地がありました。日本的な考え方をもとにコミュニケーションが行われていたのですが、私たちは多国籍企業です。多国籍間コミュニケーションのレベルを高めるために、英語で話すことは重要です。だからこそバイリンガルのインターンを迎えることが助けになると私は考えています。例えば社員が海外からきた首脳陣と話しをするときに、皆が英語で自分の考えを表したり質問に答えたりできるかを見ています。私は首脳陣が「よし、日本の社員たちは正しくテキサス・インツルメンツの社風や価値観を前面に出して仕事をしているな」と言ってその場を後にできるか自分自身に問いかけます。インターンも例外ではなく、昨年の8月からインターンシップに参加しているナカダさんはテキサス・インスツルメンツのCFOや財務部の首脳陣とのミーティングに出席することもありました。学生にとっては実際の会社に触れられるいい機会になっています。

WS インターンは組織に影響を与えていると思いますか?

YN もちろん、それもいい意味で。昨年、インターン生としてナカダさんを迎えたのですが、それが日本テキサス・インスツルメンツにとってインターンを迎える初めての経験でした。そのため最初は本当にウインウインの状態になれるのか少し疑問でした。私たちからインターンに素晴らしい経験を提供するだけでなく、それと同時に、多くの労力を使ってトレーニングする以上、インターンの学生にもプロフェッショナルな姿勢で私たちに貢献をしてほしいと考えていたからです。

結果的に、インターンシップは素晴らしいものとなりました。ナカダさんの貢献のおかげでいくつかのプロジェクト目標を達成させることができました。プロジェクトを通して、チームがナカダさんと接することで、彼の新しい物事を学ぼうとする前向きな姿勢が、チームに良い影響を与えているのがわかりました。例えば、彼がシステムの不具合に遭遇したときに、彼は私たちにすぐに尋ねるのではなくインターネットで似たような事例を調べ、私たちが考えもしなかったような方法で一人で解決法を見つけてしまったのです。こうしたチャレンジは誰にでも起こりうることなので、彼の行動はチームの全員にとって印象的なものでした。彼はこの課題を解決するとてもいい方法を教えてくれたのです。私たちは皆彼から学ぶことがありました。

私のチームのメンバーの多くは25年以上の経験を持っています。年上の、経験のある人間がいることはもちろんいいことですが、新しい視点も必要なのです。ナカダさんや今学期から始めたヤマザキさんのようなインターンを迎えたことによって、私たちのチームを多様化させるという点においてとても良い効果が生まれています。

GR その通りだと思います。インターンシップはかけがえのない新鮮なものの見方をもたらしてくれます。私たちの組織はとても年齢層が高いので、だからこそ、「私にはエネルギーがあります。学びたいんです」という視点は重要なのです。組織にとって、すでに確立されている物事や考え方に疑問をもったり挑戦しようとする姿勢が重要です。そして最も重要なのは自分の意見を表現することのできる権利を会社側が与えることです。テキサス・インスツルメンツにそうした自由な環境があるのです。

WS 将来どのようなプロジェクトにインターンを関わらせ、どのような責任を与えようと考えていますか?

YN プロジェクトにおいて大事なのはタイミングです。昨年も今年もインターンシップの学生に関わってもらえるプロジェクトがあったのは幸運なことでした。それはもちろん素晴らしいことです。ですが、プロジェクトがなくても、私たちは日々の業務の遂行に実際に役に立つ経験を提供することができます。例えば、価格管理のチームにおいて、ヤマザキさんとナカダさんはすでに二人とも特約店やフィールドセールスのチームなどといった社外・他部署とのやりとりをしながら、リクエストに対応していました。その作業はコミュニケーションのスキルや思考プロセス、ツールの使用方法、どうすればよい価格設定が出来るかなどといったことを理解することが必要とされるものです。ただ単に観察をして真似するよりも、実際に学び体験することが彼らにとって役に立つようです。

WS 初めてインターンを迎えるマネージャーになにかアドバイスはありますか?

YN 与えられた期間の中でどのようなタスクを与えればいいかを検討することが重要になるでしょう。私の場合、インターンシップが3か月になると分かったときに、前もって仕事の割り当てを計画しました。学生のトレーニングをプランして、そのためのリソースを確保し、それを誰が管理するのかといったことを計画しなければいけません。そのような計画はとても重要です。なぜなら、チームの協力と共同作業が必要になるからです。うまく計画できれば、きっといい結果が得られるでしょう。私のときもそうでしたから。

そういったことを決めずにただ単にインターン学生をチームの中に放り出すようなことはすべきではありません。また、バックアップの計画もなしに誰かに突然インターン学生のトレーニングを頼むようなことをすれば、ビジネスにはもちろん、皆のやる気にも悪影響が出るでしょう。そういう意味では、インターンシップを成功させてウインウインのものにするためにも、一人や二人のチームよりも、ある程度人数のいるチームでインターンに働いてもらった方が安全です。きちんと前もって計画を立てられる限り、インターンシップ・プログラムはきっと大きな成功を収めるだろうと私は確信しています。

WS TUJのインターンと一緒に働くことで得られる一番良いことはなんですか?

GR 私たちが誰かを迎えるときに求めているのは異文化への自覚です。そしてテンプル大学がテキサス・インスツルメンツにもたらしてくれるのは、私の考えでは、カリキュラムや学生自身の多様性です。アメリカ流のカリキュラムで教育されながらも、日本の社会をある程度理解しているインターンは、私たちにとっても強みになります。組織として成長するためにも自分のチームには多様性が必要です。そして、テンプル大学が私たちに成功をもたらすきっかけになると期待しています。多様性は欠かせないものです。それがなければ前に進むことはできないのですから。

インタビュー実施日: 2014年7月16日

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