学長室だより

Global Temple

2010年4月6日

先日のTemple Today (テンプル大学フィラデルフィア本校発行のメルマガ) で、International Affairs担当Senior Vice Provostのハイ・ラン・ダイ氏のインタビューが掲載されました。

(ダイ氏は、College of Science and TechnologyのDeanを兼務したまま、昨年11月にこのポジションに就任しました。テンプル大学の国際化推進のまとめ役です。)

私はダイ氏と数年前から交流があります。彼はTUJに来たこともあり、そのときはこのキャンパスについて多くを語り合いました。ダイ氏をはじめ、ハート総長も、スタイアノ-コイコ副総長も、みなTUJに、そしてテンプル大学の国際化に深くコミットしています。このコミットメントを現しているのが、ローマと東京にあるキャンパス、そして43カ国112大学との提携でしょう。これらを通じた海外プログラムは、テンプル大学の全学生の教育機会を、そして全教員の研究機会を、大きく広げるものになっています。テンプル大学のこの国際化推進の強い意志を考えれば、28年前、TUJが日本で初めての米国大学日本校として開校したことも、その後1980年代後半にかけて40近い米国大学が設立された中で、今日唯一生き残っていることも、そして単に生き残った(survive)だけでなく、繁栄(thrive)していることも、まったく驚くに値しないのです。

実際、私は近頃、TUJの位置づけというものを前にも増してよく考えるようになりました。米国の高等教育におけるポジション、日本の大学界における立ち位置、その他の国々における、真の国際的な高等教育のモデル機関としての役割などです。

日米、中国、欧州をはじめとする全世界で、高等教育における流行り言葉は「国際化」「グローバル化」です。米国の多くの大学では、留学生受入数と派遣留学生数を増やすことが、学部教育に不可欠であると認識されるようになってきています。日本では「留学生30万人計画」が打ち出され、英語による授業を増やし、日本の大学のカリキュラムを、批判的思考力やコミュニケーション能力の育成を重視したものへと見直すことによって、国際化を推進しようという議論が盛んです。

これらの議論を聞いて、もちろん私は思います。それこそTUJが何年も前からやってきたことだ、と。私たちは、米国式教育の優れた部分と、日本の東京にあるという利点をミックスすることで、本当にクロスカルチャーな教育を体現してきたのです。

TUJは、テンプル大学のさらなる国際化において模範となることは明らかですが、日米すべての高等教育機関の国際化においても、同様にモデルとなるべきと考えています。米国大学でTUJのような運営を行っている海外キャンパスを持つところは、おそらくないし、もしあったとしてもごく僅かでしょう。TUJは、それ単体で米国の多くのリベラルアーツ・カレッジに匹敵する規模です。85%の学生がTUJ独自の募集によるもので、 (本校に行かずに) TUJから卒業します。TUJでテンプル大学の学位が取得できるのは、米国本校と同じ質と内容の授業を提供している証ですが、同時に、60カ国から学生を迎えているTUJならではのプログラムと、文化多様性にあふれた学習環境をも提供しているのです。

4月、TUJ学長として3年目が始まり、私は以前にも増して全身にエネルギーを感じています。昨年の今ごろに書いた本コラムの記事を読み返すと、当時はみんなが地球規模の経済危機の影響を心配していました。景気後退がもたらした問題はまだ消え去ってはいないものの、真の回復の兆しは見えていると思います。でも私が楽観的でいられるのは、単に株価や失業率、住宅市場などの経済指標が持ち直しているからではありません。TUJの国際教育の使命を信じているから。そして、それによって世界と世界の学生のニーズをきっと満たすことができるからです。

TUJはまだ28歳。私たちはやっと本当の使命を果たし始めたのです。